「竹製篠笛の取り扱いについて」
2025.07.29

お手入れ方法というほどたいそうな手順もなく、我が家では何年も割れていないのですが、乾燥が激しく風を受ける環境下などでは注意する必要があるように感じます。
よくある質問に掲載した回答とも重複しておりますが、竹製篠笛ご購入の方には「竹製篠笛の取り扱いについて」記載した用紙を同封いたしております。ぜひご活用ください。
山田 卓
「セット管の値段」
2025.07.24

1年前にご注文をいただき、今回は3セット作りました。なぜ1年もかかってしまうのかというと…普段在庫を置いていない、「半」という調子の笛が9管入ってくるからです。
「半」というのは、例えば7笨半は7笨調子と8笨調子の間の調子、つまり7笨調子より半音の半音高い音ということになります。3笨調子と4笨調子の間はさらに細かく分かれて「3かり」「3半」「4めり」と3管はいります。「3かり」は3笨調子の半音の半音の半音高い音の笛ということです。
セット管は、セットなのに価格は安いわけではありません。注文を受けてから1年かかってしまうと言うのでも分かるように、大変手間がかかります。なので、普段よりかかる手間の分だけセット割ということで、よろしくお願いします。
山田 卓
「やっと開通」
2025.06.04
「唄口の横の漆がはがれたので修理してほしい」という依頼が来ました。送られてきた笛を見てみると、唄口の横の詰めてあるところがえぐれていました。
このような状態になったものは初めて見ました。父親にも聞いてみましたが、「見たことが無い」と言っていました。
おそらくは漆にひびが入り、そこから中に湿気が入りこみ、朽ちてしまったのだと思われます。朽ちたところに漆を練ってもまた剥がれる恐れがありますので、悩んだあげく頭からすべてくりぬくことにしました。

慎重にやらないと本体を破損してしまいそうなので、何日かかけて少しずつくりぬきました。
その甲斐あってか、きれいに開通いたしました。
このような状態になったものは初めて見ました。父親にも聞いてみましたが、「見たことが無い」と言っていました。
おそらくは漆にひびが入り、そこから中に湿気が入りこみ、朽ちてしまったのだと思われます。朽ちたところに漆を練ってもまた剥がれる恐れがありますので、悩んだあげく頭からすべてくりぬくことにしました。


その甲斐あってか、きれいに開通いたしました。
山田 卓
「コロナ禍の名残」
2025.05.26

対面式で行うお稽古事はとても風当たりが強く、とくに笛の場合マスクをしながら吹くことが出来ないので、苦肉の策で透明なビニールを張った大きなついたてを自作してお稽古場で使いました。
どれほど役に立ったかは分かりませんが、今になって写真を見ると何だか滑稽な感じがします。

さすがに邪魔になってきましたのでついに解体したのですが、捨てるのはもったいないので竹を干す台の材料にしようと思います。
山田 卓
「音楽配信開始」
2025.04.17

昨秋のクラウドファンディングで目標としておりました、こども長唄としての世界初の音楽配信となります。
tuneCORE JAPANを経由して、皆様が各自ご契約されている音楽配信ストアより聴取いただくことが出来る状況です。
「こども長唄 ことのはうた(tuneCORE JAPAN)」
キーワード検索する場合は、「供奴」「雛鶴三番叟」「犬山こども長唄クラブ」などでご検索ください。ぜひ聴いていただければと思います。
山田 卓
「CD こども長唄 ことのはうた」
2025.03.03


今回もクラウドファンディングのページを作成していただいたCUUDESIGNのデザインで、こども達の魅力をパッケージで表現していただき素敵なデジパックにて仕上がりました。
皆様のおかげをもってここまで辿り着くことが出来ましたこと、厚く御礼申し上げます。続いて、配信につきましては整い次第ご報告いたします。
「こども長唄 ことのはうた」
一 雛鶴三番叟
二 供奴
また、この度のCD完成を機に、ご寄付を募る運びとなりました。詳細は犬山こども長唄クラブの公式サイトをご覧ください。今後とも応援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
一 雛鶴三番叟
二 供奴
山田 卓
「景色のある篠笛」
2025.02.25
なるべくきれいな竹で笛を作ろうと思っているのですが、キズやシミの無い竹はあまりありません。他の笛師の方たちも苦心しているようです。

シミだらけの竹で非常に硬い質の物がありましたので、篠笛にしてみました。また、ついでに大きな傷のある竹でも作ってみました。
シミの方はなかなかいい景色となっていますので、好まれる方もいそうです。
生えている時にできたキズは黒くなり、まるで黒檀のような艶があるときがあります。ですが、いかにも傷だらけという見た目になりますので、こちらは好む方が少なそうです。私は優等生っぽく無いところが好きなのですが…。


シミの方はなかなかいい景色となっていますので、好まれる方もいそうです。
生えている時にできたキズは黒くなり、まるで黒檀のような艶があるときがあります。ですが、いかにも傷だらけという見た目になりますので、こちらは好む方が少なそうです。私は優等生っぽく無いところが好きなのですが…。
山田 卓
「工房の風景 2」
2025.01.24
笛の制作には「漆(うるし)」を扱います。塗師屋さんのように漆を専門に扱う方ほどいろいろな作業工程があるわけでは無いので、漆に使う道具もそれほど種類はありませんが、その中でよく使う道具に茶碗があります。
私が今まで見てきた職人の印象に、「身の回りにある具合のいいものを道具にする」というのがあります。茶碗もその中の一つです。
父が朱漆を練るの時に長年使ってきた茶碗を使っているのですが、漆が積み重なって「漆でできた器」のようになっています。
父になぜこのような状態にしたのかと聞いたら、「毎回拭き取っているのになぜかこうなった」と言われました。積み重なってできた形が使いやすいので、そのまま使っています。

父が朱漆を練るの時に長年使ってきた茶碗を使っているのですが、漆が積み重なって「漆でできた器」のようになっています。
父になぜこのような状態にしたのかと聞いたら、「毎回拭き取っているのになぜかこうなった」と言われました。積み重なってできた形が使いやすいので、そのまま使っています。
山田 卓